禁煙1年半が経過しました。
禁煙1年を達成してからさらに半年が経ったわけですが、この間も特に危ないところもなく順調に禁煙を継続することができています。
一応禁煙とは書いていますが、実質は卒煙したということですので、決して「今は禁煙中なんです」という意識ではなく、きちんと「もう非喫煙者なんです」という認識でありたいですね。
そのほうがより我慢しているというような感じが無くなって、すっきりします。
ところで、禁煙を順調にこなし、半年や1年以上が経過してもなお、ふとした時にタバコを吸いたくなってしまうという人が意外にも多くいるんですね。
これは僕も経験がありますので、その状況はよく理解できます。
過去には「一本だけなら」という気持ちで、見事に禁煙失敗に至った経験もしています。
禁煙して1年以上が経過してもなお出てくる、この吸いたいという気持ちは何なのでしょう。また、どのように対処していけば良いのでしょうか。
せっかくの長期間の禁煙を台無しにしてしまわないように、しっかり考えておきましょう。
ということで今回は、禁煙1年以上が経過してもなお吸いたい気持ちがあっても不思議ではないということについて書いていますので、一緒に見ていきましょう!
なぜまだ吸いたいと思うのか
これはもうはっきりといえる、心理的依存ですね。
過去記事にもいろいろ書いてきていますが、当然すでに体の中にニコチンは残ってはいないので、身体的な依存(体内のニコチンが足りなくなって吸いたくなるもの)ではなく、タバコを吸っていたころに得ていた快楽を脳が覚えてしまっていることによる弊害ですね。
今はもうタバコを吸って得られる唯一のものは、ニコチン切れのストレスを解消することだけだということをよく知っています。
つまりそもそも喫煙をしなければ発生することのないニコチン切れという状態を、タバコを吸うことで自ら作り出し、それを解消するために繰り返しタバコを吸うという、何とも愚かな行為をしていたということをよく理解しています。
しかし、僕たちの脳はなかなか思い通りにはいかないんですよね。
タバコを吸うたびに、ニコチン切れの症状が緩和された、一時の快楽を得た、落ち着いた、気分が良くなった、というようなタバコで味わっていた快楽的な部分だけを、いまだに脳が記憶してしまっているということです。
例えばニコチン切れによって下がっていたテンションが、タバコを吸うことで上がった!
その「上がった!」という良い(ように感じていた)部分だけを、脳が切り取って覚えてしまっているんですよね。
本当はニコチン切れによってマイナスになっていたものを、タバコを吸うことで0に戻すだけの作業だったわけなんですけどね。
下がっていたものが上がった。悪い状態が良くなった。
その「上がった」、あるいは「良くなった」、という部分だけの感情や記憶、あるいはそのように感じられることへの期待とも言えるような感覚が、いまだに脳に残ってしまっているということです。
そのため、日々の生活の中のふとしたタイミングでいつまでもしつこく、「タバコはどや?」てな具合に、チラつかせてくるわけですよ。
基本的には麻薬患者と同じだから
やめたくてもなかなかやめられない。
一度は完全に断っても、再度手を出してしまう人も多い。
一生抜け出せない人もいる。
あ、これはタバコの話ですよ。でもこれ、
麻薬や覚せい剤と何が違うんですかー!?
ということを声を大にして言っておかないといけませんね。
そうです。あらためてここではっきりさせておきましょう。
タバコは麻薬です。
列記とした依存性もあるし、強い覚醒作用もあります。
ただ、現時点の日本において、合法なだけ。
大麻や覚せい剤は違法なのに、タバコはなぜ合法にしているのか、それを話し出すと長くなってしまいますが、あえて一言で言うならば、誰が儲けるかということですね。
タバコは一体どこにお金が入るのか、一方、大麻や覚せい剤はどこにお金が入るのか、世の中の仕組みの話ですね。
そして今回の問題はそこではなくて、脳がたとえまやかしであったといえども、強い快感を覚えてしまっているがゆえに、何年経っても頭をよぎってしまう。
それは他の薬物と何ら変わらない症状だということ。
僕は今まで、喫煙者がタバコを吸いながらテレビを観て、大麻や覚せい剤で何度も逮捕される芸能人を笑う光景をよく目にしてきました。
「大麻なんて(笑)、あんなものに火をつけて吸って、やめられなくなっている。バカだね。」などと。
決して麻薬患者を笑える立場じゃないんですよね。火をつけて吸ってやめられなくなってしまって悩んでいるのは同じことですよ。
だからこそ、タバコは非常に危険なものだということをあらためてしっかり認識しなければいけません。
決してタバコをあなどってはいけません。
そしてそのタバコと決別するために、全力で戦うんだという姿勢と覚悟が大事になってきます。
これはもう麻薬患者と同じですからね。間違いなく。
違法か合法か、それはただただ法律上の話。
僕らは麻薬患者と同じく、依存症患者であることをしっかり認識して、治療していかなければいけません。
吸いたくなったときの対処法は?
ここでは、実際にふとタバコが吸いたいと感じてしまうことへの対処法を考えておきましょう。
決してそれほど強い欲求ではない、しかしながらふとした瞬間にタバコのことを思い出してしまう、あるいはちょっと吸ってみようかなどと考えてしまう、その理由は上述した通り、脳の記憶や心理的なものによる作用が大きいです。
そしてそれは禁煙を誓った誰しもに起こりえること。
となれば、しっかりこれに関しての対処法を考えておかなければいけませんね。
タバコのことをよく知ること
僕の実践している対処法はこれです。
とにかくタバコのことをよく考え、よく知ることで、【タバコに対する認識】が深まります。
禁煙当初のタバコが吸いたいという離脱症状については、過去の記事で、ゲームや音楽鑑賞に没頭したり、好きなものを食べる、熱中できる趣味を探すなどの、代替行為をお勧めしたりしたこともありましたね。
でもここでいう対処法は、主に心理的なことに対する対処法です。
タバコの離脱症状に悩む期間の数週間や数か月という単位のものではなく、もっと長い期間で考え、禁煙を失敗に終わらせることなく、確固たるものにしていかなければいけませんからね。
そのために、タバコのことをよく知ることです。
主には以下のようなことです。
・タバコを吸ってもなにも解決しない
・タバコは問題を増やすだけ
・吸ったらどうなるかを知っておく
依存症は一生の付き合い
タバコのニコチン依存症に限らず、依存症は一生の付き合いです。
一度依存症になったことについては、生涯気を付けていかなければならないということをまず理解しましょう。
ただし、たとえ完治というものが無いのだとしても、諦めずに取り組むことで、どんどんと楽になっていきます。
実際に今の僕でも、何日もタバコのことを忘れていることが多くなりましたし、こういった記事を書くためにあえて深くタバコについて考えたりする時間もありますが、もう吸いたいとは思いません。
本当かよと思われるかもしれませんが、正直なところ、一本吸おうと思えばいつでも吸えるでしょう。そしてその一本から簡単に喫煙者に戻ることもできると思います。
というか、それを過去に何度も経験してきましたからね。
でも、もう吸いたくないというのは本心で、もうあのような喫煙生活には戻りたくないですし、お金も健康も失いたくはありません。
何より、結局またしばらくしてタバコをやめたくなって、あの離脱症状を始めとする禁煙初期のもろもろの面倒さを感じたくはありませんからね。
ここまで禁煙したんだから、やめるのはもったいないし、また喫煙者に戻るのは絶対にいやだ!
人によりそのタイミングは違うでしょうが、このように思えればしめたものですね。
タバコを吸っても何も解決しない
そして次に、タバコを吸っても、今目の前にある問題は何一つ解決しないということを知っておきましょう。
それどころか、また喫煙者に戻ってしまったという問題と、過去に味わったタバコに関するあらゆるストレスを寄り戻すだけということです。
ふと、タバコのことを思い出してしまう瞬間というのは、何かしらのストレスや問題を抱えたとき、あるいはメンタルが弱まったときや、精神的に落ち込んだときなどが挙げられます。
しかしその時、その瞬間に、タバコを吸って喫煙者に舞い戻ったとして、一体どの問題が解決するのかということを考えてみてください。
タバコで解決できる問題など、皆無ですよね。
それどころか、また禁煙に失敗したという自己嫌悪や、自信の喪失、次のタバコ銭の算段や、喫煙していたときの全ての問題を再度抱えることになるだけです。
今目の前にある問題の上に、また、さらに喫煙の問題を乗っけるだけだということに気づきましょう。
ここに気が付いた人は、再喫煙への障壁、つまり心理的な壁の高さがグッと高くなります。
「タバコを吸っても何の意味も無い、何にもならない」、そのことを知っているんですね。
つまり、タバコのことをよく知っているということです。
吸ったらどうなるかを知っておく
ある程度の期間、禁煙を続けていたにもかかわらず、失敗して元の喫煙者に戻ってしまった経験はありますか?
僕は何度も経験していますが、とりわけ半年以上続けてきたにもかかわらず、また喫煙してしまったときは、つらかったですね。
情けないやら、みっともないやら、再喫煙のタバコの旨さなんかよりも、そっちの感情のほうが大きかったです。
そこでですね、僕はそのときの情けない気持ちや、久しぶりの喫煙によって生じた体の不快感、そのとき失敗に至った経緯や感情などを、細かく携帯電話にメモしていたんですね。
これがとても役に立っています。
自分自身が、もしも今、再度、喫煙をしたら、体はどのようになるのか、気分はどのように変わるのか、後悔はしないのか、そういった生々しい自分だけの体験談を持っているのです。
いつでも見返せるように。
人間は本当に忘れやすい生き物ですからね。
一生涯付き合おうかという依存症に対して、薄れていく記憶だけでは戦えません。
使えるものは使いましょう。
携帯のメモ機能や日記に綴った、自分のリアルな人体実験記録ともいえるものですよ。
これが思いのほか、効き目がありました。
久しぶりに吸うとこんな味がして、すごく臭くて、吸った後何十分もにおいが取れなくて、またやってしまったと落ち込んで。
吸った直後の状況と心情を記録してあり、ことあるごとに、それこそふとタバコのことが頭をよぎったときに、見返してきました。
そしてこれが、自分がもし今タバコを吸ったらどうなるかをよく知っているということです。
メモを読み返し、「ああ、そうそう、この感覚、この後悔。いや・・・もう味わいたくないな・・・。」
そのように思えれば、とても意味があります。
おわりに
長くなってしまったのでまとめますと、依存症は一生の付き合いとなる可能性が高いので、生きていく中でふとタバコのことを思い出したり、吸いたいと感じることは往々にして起こるということ。
その対処法として、タバコとはそういうものだ、禁煙するにあたってはこういうこともある、というように、あらかじめタバコのことをよく知っておくこと、言い換えれば、タバコに関するあらゆる知識を持っておくことが大事ということですね。
また、本気で禁煙を実践していく上では、生々しくも、使えるものはどんどん使う、これもあえて言い換えるならば、自分なりに戦うための戦略と武装を身に付けておくということです。
そして、いかなるときでも守るべきルールは一つだけ。
二度とタバコを吸わないこと。
これだけです。
「ちょっと吸いたいかな?いや、ダメだ」、などと迷うものではありません。
断固として吸わないの一択です。
ふとしたとき、何か問題があったとき、落ち込んだとき、どんなときでも、タバコじゃない。
タバコでは何も解決しないし、何も起こらない。さらに問題を増やすだけ。
それを知っておきましょう。
卒煙後も長く人生は続きます。
「ふとした瞬間」も、今後も幾度となく訪れるでしょうが、タバコのことをよく知り、心から必要の無いものという認識を持ちましょう。
そして、非喫煙者でいることを最高に喜び、誇りましょう。
それが最強の心理的対処法ですね。^^
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それでは今回はこの辺りで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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