「ああ、イライラする。もうタバコを吸ってしまおうか。」
これは禁煙している人なら確実に何度かは考えてしまうことですよね。
ただでさえ頑張って禁煙している不安定な精神状態のときに理不尽なストレスに襲われたりすると、なんとも上記のような危ない気持ちにもなってしまうものです。
だからこそ禁煙中は妙なストレスとなりそうな物事や人物とはできるだけ距離を置いておきたいところなんですが、完全にそれらを避け続けるというのはどうしても難しいですよね。
しかもこのような考えが頭をよぎるのは、決して禁煙を開始して間もない人に限定されたことではなく、禁煙してから何年も経過している人でも全然あり得る話なのです。
まさしく禁煙2年以上が経過している僕が先日、妻と口論になったときがそうでした。
イライラ、ムカムカ、モヤモヤという感情が渦巻く中で、例のごとくタバコが頭に浮かぶ瞬間があるわけですよ。
過去にはこれで禁煙が失敗に終わってしまった経験もあり、嫌なイメージと共に、大きなストレスを感じていました。
ただ、僕の頭の中ではもうはっきりと、タバコはこのストレスを解消しないということを認識していますので、当然ながら実際にタバコを吸うという行為には至らないで済むのですが、ふと、「なぜいつもこのタイミングでタバコを思い出してしまうのだろうか」と考えました。
タバコはストレス発散にはならないことを知っているのに、どうしてもタバコのことを考えてしまう理由。
それは、現実逃避にあるのではないか。
ここをあえて掘り下げて考えておくことで、今後の禁煙をより確固たるものにできるのではないか。
そんなことをあらためて考えてみたというわけです。
ということで今回は、タバコはストレス発散ではなく現実逃避だったと気づいたという話を書いていますので、一緒に見ていきましょう!
タバコはストレス発散か現実逃避か
今回のテーマはこれですね。
タバコを吸うという行為は、そもそもストレス発散のためではなく、現実逃避のための行為ではなかったのかということ。これをあえて深掘りして考えておきたいと思ったわけです。
僕に限らず何年も禁煙が上手くいっている人でも、ふとタバコを吸いたいと考えてしまう瞬間や、必要以上にタバコのことを思い出してしまう瞬間があるといいます。
また、過去の僕が大きなストレスを抱えたときに、実際に禁煙を失敗してしまったように、ここをあやふやにしたままでは、この先の禁煙人生の思わぬ落とし穴にならないとも限らないと考えているからですね。
というわけで、まずはタバコを思い出してしまうのは、ストレス発散がしたいためなのか、現実逃避がしたいためなのかというところを考えてみましょう。
タバコはストレス発散にならない
僕が禁煙を続けられるようになった大きな理由の一つに、タバコはストレス発散にはならないということを理解したということがあります。
タバコを吸ってストレスを発散することができる、つまりタバコを吸えばストレスが解消するものと考えるのは、大きな間違いです。
タバコを吸うことで解消できるストレスとは、ニコチン切れの禁断症状のストレスだけ。
だからタバコを吸うことは、非常に無意味なことである。
この事実は、禁煙を目指す者は必ず知っておかないといけないことです。
当然ながら僕もこのことを認識していますので、妻と喧嘩してイライラしたからといってタバコを吸ったところで、そのストレスが解消するわけではないということをよく理解しています。
そしてなにより、ニコチン切れの禁断症状というものはとっくに抜け出していますので、今さらニコチンを摂取しても仕方がないことも理解している。
それなのになぜ、このようなシチュエーションに置かれると、決まってタバコのことを思い出してしまうのかということを深く考えたときに、ようやく答えが出てきました。
「ああ、タバコで現実逃避がしたいだけなんだな」と。
タバコは現実逃避だった
そしてこの結論に至ったわけですが、あらためて考えてみると、若い頃にタバコを吸い始めたきっかけにしたってそうでした。
つまらない日常や人間関係から逃れたくて、ちょっと悪い連中と付き合い、その中で吸い始めたタバコ。
完全にニコチン依存症者となってからは確かに、タバコがストレス解消になると信じてもいましたし、味覚の変化によってタバコをおいしいとも感じていました。
ただよくよく考えてみると、もうタバコをやめたいと思って何度も禁煙にチャレンジするも失敗してきた理由やパターンとしてもっとも多かったのが、やはりイライラしてストレスがMAXになったときの「自暴自棄、やさぐれ願望」でした。
【やさぐれ】には、家出人、ぐれる、投げやりになる、不良、無気力でいい加減になるなどの意味がありますが、とにかく「もうどうでもいい」と投げやりになっている感情が僕の場合は主なところですね。
このやさぐれた心理状態になったときに、逃避行動の一つとしてタバコを吸うということが、過去の記憶として脳に浮かんでくるというわけです。
ここでアルコール依存症の人をイメージしてみてください。
しばらく酒を断っていても、本当にストレスが溜まったときや、精神的に追い込まれたとき、どうしても酒に逃げることを考えてしまう。
それはもはやストレス発散のためではなくて、現実逃避のほうがしっくりくるのではないか、そう考えています。
そしてニコチン依存症も同じく依存症です。
その苦しみも分かります。
だからこそ、ここをうまく解決していくことが、依存症克服の成否を分ける大きなターニングポイント(分かれ道)になるのではないかと考えているんですね。
いかにしてその依存を断ち切るか
今回のテーマの最大のポイントはここです。
タバコはストレス発散にならないということをしっかりと理解している禁煙継続者が、なぜか危うい瞬間を感じることがある。それも潜在的に少なくない数の人がいるとも考えられると。
だからこそ、ここであえてタバコは現実逃避の手段だったということを定義することで、今後の対策もしやすくなるというものです。
ポイントは現実逃避の手段としての喫煙行為を、今後の自分の人生において徹底的に排除しておくことですね。
自分の現実逃避の向かう行き先と、タバコを完全に切り離しておくということです。
具体的には以下のようなことを考えておきましょう。
・すぐに没頭できるアイテムを用意しておく
・ストレスの少ない環境を作っておく
・タバコの勉強をし続ける
順番に解説しますね。
現実逃避したいときの手段を決めておく
そもそも現実逃避するということ自体は、心の平穏を保つという点において悪いことではなく、むしろ上手におこなえば自分の心身の健康に大きな貢献をするものです。
ただしそれが行き過ぎてしまう、あるいは、その現実逃避の手段(行き先)が、酒やタバコやギャンブルなどといった質の悪いものであった場合に大きな問題となりやすいというわけですね。
まさにニコチン依存症となってしまっていることが現実的な問題であると。
だからここで言いたいのは、現実逃避したいときは当然あってもいい、ただし、タバコ以外の手段を必ず用意しておきましょうということです。
ちなみに僕の場合は、最悪は家を飛び出し自転車に乗ってくたくたになるまでサイクリングをしたり、車で音楽をガンガン鳴らして一人ドライブ、行き先は海か自分の思い出の場所など。
さらにそれに疲れたら温泉にでも入って、そのまま休憩室でマンガを読み倒して昼寝するか、こっそり家に帰って自室で暗幕を閉めて寝られるだけ寝ます。
このときばかりは美味しいものを腹いっぱい食べてふて寝というのもアリですね。
あくまでもそのときの状況や気分によりますが、「最悪な気分のときはもう迷わずこれをする!」というのを決めておくことです。
それが上手な現実逃避に繋がる第一の作戦です。
すぐに没頭できるアイテムを用意しておく
これも例えば僕の話ですが、ゲームにマンガ、音楽のプレイリスト、楽器、インターネット、映画の有料チャンネル、さらに先ほどの自転車や筋トレ用品など、日ごろから結構好きなものを用意しています。
イラっとしたときに、すぐに外界をシャットダウンして自分の世界に逃げ込むためですね。
それこそがまさに現実逃避ですよ。
ムカついたら僕はすぐにヘッドフォンをして、ゲームという異世界で勇者に転生しますからね。フフフ
そこで魔物をばっさばっさとぶった切ってもいいし、悪い奴らを成敗しまくってもいい。
さらには大音量で音楽を鳴らして、楽器をかき鳴らすのもいい没入感がありますよ。
それこそミュージシャンにでもなったつもりでね。
一瞬で没頭できる趣味やアイテムを用意しておきましょう。
そこへ文字通り現実逃避するのです。
タバコなんかより楽しいものはいっぱいありますよ。
というか、間違ってももうタバコが楽しいなんて感覚は持たないようにしましょうね。
それはシンナー吸うのは楽しいと言っているのと何も変わらないですよ。
ストレスの少ない環境を作っておく
タバコをやめるということは人生の中で大きな決断です。
ゆえに禁煙することで自信もつきますし、金銭面での負担も本当に軽くなりますよ。
そしてせっかく禁煙ができたならば、新しいことを始めたり、今まで欲しかったものを浮いたタバコ代で揃えてみることを考えましょう。
自分の生活の環境をより良くしておくためですね。
結果としてそもそも現実逃避をしなければいけないようなストレスが減ったり、逆に普段から気分良く過ごせる時間が増えるようになれば何よりですからね。
ちなみに僕も禁煙して浮いたタバコ代で、先ほど話したゲームや楽器などの趣味のアイテムをどんどんと充実させていっていますよ。
タバコの勉強をし続ける
最後はこれですね。
タバコの勉強をし続けることです。
勉強といっても毎日毎日タバコのことを考える必要はありませんが、時々はタバコの害についての知識を深めることも良いですし、他の禁煙成功者の話を聞くこともモチベーションの継続に繋がります。
また、禁煙ができている自分を心から喜ぶことも自己肯定感を高めますし、こういったブログなどから、新たな考え方や禁煙の役に立つ新しいアイテムの情報を取り入れるのも一つの勉強といえますからね。
そうやって何か月も何年もかけて自分の脳に、タバコはもう自分の人生に完全に必要ないんだということを認識させていくこと。
タバコに逃げても、何も解決しない。
タバコは僕たちに何も与えはしないし、逆に奪われることばかり。
最終的にはこれが、精神的にも心理的にも、自分とタバコとの距離を遠ざけることになります。
物理的にはタバコは今もそこらへんで売られていますので、手に入れようと思えばすぐにでも買えてしまうわけですが、依存している心さえ克服できれば、タバコはもう世の中に存在しないに等しい、そのくらいまでの距離感を保てますよ。
タバコのことを理解すればするほど、自分の人生には必要の無いものだということが分かるはずです。
おわりに
タバコはストレス発散のために吸っていたと思っていましたが、実は本当の深層心理での理由としては、現実逃避の手段だった。
それが分かれば現実逃避の代替案や対策も立てやすくなるので、今後の人生で起こりうる予期せぬ大きなストレスや、それによる禁煙失敗のピンチにも対応がしやすくなると。
そういったテーマの話でした。
すでに確固たる禁煙(卒煙)を邁進されている方には、さしたる話ではなかったかもしれませんが、実際に何年も禁煙していた人が再度喫煙者に戻ってしまうことが多いのも事実ですので、普段から禁煙に関するあらゆることを考え、想定しておくことは悪いことではないと思います。
さて、あなたの現実逃避はなんですか?^^
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それでは今回はこの辺りで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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