「タバコを吸わない人になりたい・・・」
タバコをやめるということは、タバコを吸わない人になるということ、つまり非喫煙者になるということですが、僕は本気の禁煙をするにあたり、最終的には本当にこの状態に自分がなること、なれることを切望していました。
タバコを吸わない人になれたらどれほど素晴らしいだろう。
タバコに縛られない人生を生きたい。
毎日毎日、ひしひしとそのようなことを考えていました。
そしてそのときに同時によく考えていたことが、「自分にも確実にタバコを吸わなくても問題がなかった時代があったな」ということ。
思い起こせば少なくとも小中学生のころの自分は、タバコなど吸わなくても平気だったことを覚えています。
お菓子とジュースとゲームと漫画があればそれで十分だったのです。
しかしあるときからタバコに手を出し、そしてその後40代となるまでタバコを吸い続けてしまった僕にとっては、人生の中ですでにタバコを吸っている期間のほうが吸っていなかった期間よりも長くなってしまっているような状態。
このような状態では、もはやすでにタバコを吸うことが当たり前、タバコありきの人生、おはようからおやすみまで、タバコがなければ本当に生活が立ち行かないというようなレベルにまでなっていたのです。
完全な依存状態ですね。
この依存状態をとにかく何とかしたい。
自分とタバコを完全に、そして確実に切り離したい。
最終的に考えていたのはそういうことです。
完全に、そして確実に自分とタバコを切り離し、タバコへの依存状態を無くし、過去の自分のような完全な非喫煙者に戻るためには、過去を含めもっと自分が自分のことをよく知り、いたわり、考え、決断し、そして行動することが大切です。
今回は僕と一緒に、過去の自分を見つめてみる作業などをやってみましょう。
あなたの確実な禁煙への大きなヒントになるかもしれませんよ。
自分の過去に何があったのかを考える
「タバコを吸わなかったころの自分に戻れたら・・・」などということもよく考えていた僕ですが、もちろん実際にはそれは叶わないので、とにかく今からでも遅くはないということを信じて、タバコを吸わなくても平気な自分になるということを目指しました。
こういった話になるとよく、「過去の自分に会ったとしたら、ぶん殴ってでもタバコを吸うことを止めるのに!」などということも考えてしまいがちですが、そこも今回はあえて穏やかに分析していきましょう。
その当時の自分には、どうしてもそうせざるを得なかった事情があったのではないですか?
未成年による喫煙が悪いことであると分かっているにもかかわらず手を出してしまう、そこに当時の自分ではどうすることもできなかった少年少女の不安定な心理はなかったですか?
そういったことを一つ一つ丁寧に自問自答していきます。
自分の過去、特にタバコを吸っていなかったころの自分や、タバコを吸い始めたころの自分の心理状況、そして今の自分の状況までをよく考え、自分とタバコとの本当の関係性を見つけ出していきます。
たとえば僕の場合、やっぱり当時の若いときの自分には、親や社会に対する反抗心などが強くあって、その心理を助長するかのようにテレビCMや漫画、アニメ、映画のようなものを通してタバコは男らしいもの、かっこいいもの、そして自分の中の何かを満たしてくれるものというようなイメージ付けをされていたのは間違いないですね。
しっかりと当時の周囲の環境に染まり、企業のイメージ戦略にハマり、そして自らがタバコを吸うことを良しとし、選択してきたのは間違いないというわけです。
それならば、当時の自分が本当にバカでクソでダメな奴だったのかということですが、そうは思いません。
当時の自分にはやむを得ない何かしらの事情があって反抗心も芽生えていたのだろうし、今となっては本当に青臭くて恥ずかしくなるような経験も、当時の自分にとっては必死の思いや選択だったということをよく理解して、そして認めています。
ここは重要なポイントです。
タバコは体に悪いものであるということは当時の小学生の自分でも知っていましたし、未成年の喫煙が悪いことであるという認識もあった。そして親や親戚が吸うタバコの煙をくさいとか煙たいとも思っていた。にもかかわらず、ある年齢に達すると結局タバコに手を出してしまった自分がいる。これは紛れもない事実。
ここをただただ否定するのではなく、その後「なぜおっさんになった今もまだタバコを吸っているのか」という部分までを真剣に考えてみるべきなんです。
40代で、まだ反抗期なの?
40代で、まだヤンキーに憧れているの?
そんなわけねえだろう!!
って思うんなら、じゃあなんで今の自分はいまだにタバコを吸っているんだろうということをもっと明確にしてみるべきです。
惰性で吸っている、依存状態だから仕方がない。それはよく分かります。僕も以前はそう考えていましたから。
でも本当のところはそうではないんです。必ず自分とタバコを結び付けている接点があるはず。それは当時の自分のまま引き継がれている心理状態なのか、それともタバコに対するイメージや認識の問題なのかは分かりません。それはあまりにも人それぞれすぎるからです。
だからタバコはこれをすればやめられますよという答えはないんです。
自分自身で自分の禁煙に対する答えを見つけていかなきゃいけないんです。
しかし多くの人が、これを面倒くさがったり、自分には無理だとか、向いてないと決めつけて、諦めます。それが一生禁煙できない理由。
しかし僕は禁煙をすることを諦めたくはなかったので、ひたすらに突き詰めました。自分の中の禁煙の正解や、自分とタバコとの関係性などについてをです。
僕が過去の自分のことも思い浮かべながら、見つけ出していった禁煙のポイントは次のようなことでした。
自分とタバコとの本当の関係性
例えばまた僕の話ですが、僕にはタバコを吸わなかった子供時代があり、やがてタバコを吸いだした時期があり、そしてタバコを長年吸い続けた時期があって、今はタバコを吸わないでいられるようになっています。
このステージごとに、それぞれタバコと自分との明確な関係性があったということを、今の僕はよく理解しています。それぞれのフェーズを経て、今は俯瞰して見ることができるようになっています。
その観点での話になりますが、やはり自分がタバコを吸うには吸うなりの理由や原因というものが明確にあって、逆に吸わずにいられるようになった理由も今では十分に説明できるくらいにもなっているということです。
ここであなたに本当に考えてもらいたいことは、あなたとタバコとの本当の関係性についてです。
実は僕もタバコに対して、自分はすでにニコチン依存症なんだから吸いたくなって当たり前だとか、こりゃ一生やめられないかもしれないということはよく考えていました。
しかし本当のところ、禁煙というものは、自分自身とタバコとの関係性を明らかにして、自分さえしっかり納得できてしまえば、そう難しいものではないのだということが分かりました。
このことをあなたに伝えたいのです。
タバコを吸い始めた当時の僕には、タバコに対する憧れや思い込みが強く、あらゆるデメリットを凌ぐ認識を持ってしまっていたため、タバコを吸い始めてしまった。
そしてそれはいつしか完全な依存状態となり、当時のタバコを吸うきっかけとなった心理や環境に関係なく、タバコをひたすらに長年吸い続けることとなってしまった。
そのタバコを今吸わなくてもよくなった理由は、自分とタバコとの関係性を明らかにして、自分のタバコに対する認識をあらため、そして自分がタバコを吸う理由の一つ一つを突き詰めて考え判断し、自分が完全に納得したうえでタバコと決別することができたからです。
タバコときれいさっぱりとお別れができたから。
そこには未練も執着も、後ろ髪惹かれるような思いも関係性も残っていないから。
タバコを吸っていた思い出はありますよ。それは別に消さなくても構いません。良いことも悪いこともそれはすべて自分の中の事実であり、自分だけの経験値でもありますからね。
それがあるからこそ、もう迷わないで済みますし、同じ失敗を繰り返すこともなく済むわけですから。これも大事なことです。
タバコとの関係性をしっかり断ち切る
ここでもっと具体的に自分とタバコとの関係性を考えていきましょう。
例えば過去の僕には、周囲にタバコを吸う大人たちの環境があって、自分自身も映画や漫画などからタバコを美化するような大きな心理的影響を受けていた。
そこに反抗期や青春時代特有の不安定な心理状態が重なり、追い求めるように吸い始めたのがタバコ。
このころの僕自身のタバコに対する認識はそれはもう強烈なもので、タバコが男らしい、タバコはかっこいい、強そうなワルのイメージ、大人っぽいイメージなどと、とにかくそれはもうまさに洗脳状態ともいえる強烈な認識と思い込みがありました。
このような状態で、例えば「タバコは体に悪いからやめたほうがいいよ」などと誰かに言われても、やめられるもんじゃありません。自分の中でタバコとの関係性や接点がガッチガチに結びついてしまっているからです。
それではそこから数年、数十年と経て、20代、30代、40代のころの自分はどうだったのか。
このときもよく考えてみると、結局は似たような認識を持ったままだったということが分かります。
例えば、タバコはストレス解消になるとか、心の隙間を埋めてくれるアイテムだとか。他者とのコミュニケーションにもなるし、良い暇つぶしや趣味の時間にもなる、みたいな思い、考え、認識。
そこには結局、自分のタバコに対するそういった認識と思い込みとイメージと役割があって、なかなかにこれを手放せないままでいる。
さすがに年齢や健康のことを考えて何度か禁煙にチャレンジしてみるも、ことごとく失敗に終わる。
それはなぜだったのか。
そう、自分とタバコとの関係性や接点がまだまだしっかりと残っている状態だったからですね。
そこで僕が最終的にやったことが、先ほどから何度も言う、タバコと自分との関係性を明らかにして自分がタバコを吸う理由を突き詰めて考えていくということです。
一つ一つ、自分のタバコに対する思い込みやイメージが本当に正しいものであるのか、今の自分やこれからの自分にとって本当に必要なものであるのかというようなことを考え、そして答えを出していきます。
自分の中ですべての答えを出し、自分の意志で判断し、そして自分自身が本当に心からその決断に納得できたとき、僕やあなたにとって禁煙は難しいものではなくなります。
ここまで行くことが大事です。
というか、これは本当に禁煙の肝の部分なんです。
この話を真剣に聞いてくれているあなたなら、禁煙がいかに根性論ではうまくいかないかという理由がはっきり分かるはずです。
禁煙には肝があります。
それはあなた自身のタバコに対する認識や関係性を変えることです。
僕はもう気づいていますし、知っています。そしてこう認識しています。
タバコはストレス解消になるものではないし、自分にメリットのあるものでもない。自分に何かを与えてくれるものではないし、むしろ奪われるだけのものである。それは自分の時間やお金や健康といった自分自身の人生や命そのものであり、それを〇ぬまで購入し続けるというのは自分にとって至極愚かで無駄なことだと考えている。
だから、やめる。もうやらない。
やる理由もなくなったし、そのことに自分自身が心から納得している。だから未練はない。
記憶と思い出はある。これは消せないし、自分は一生ニコチン依存症者なのだということも絶対に忘れない。これを忘れてしまったら、同じことをまた繰り返すから。
タバコとの長年の付き合いを経て、納得したうえで、僕は今禁煙をしています。
だから禁煙ができているのです。
この話があなたの禁煙のヒントになれば幸いです。
おわりに
タバコを本気でやめて、非喫煙者として穏やかに人生を過ごしたいのであれば、自分の人生を振り返るとともに、過去の自分をしっかりと癒してあげることも重要です。
そこにはどうしても無理をせざるを得なかった自分、かっこつけて背伸びしていなければ保てなかった心理状況や環境、社会に馴染めない自分へのいら立ちや不安、あるいはどうしようもなく生きづらさを感じる瞬間などというものがあったのかもしれません。
その過去の自分を再度傷めつけたり、さらに追い込むのではなく、今の自分がそっと寄り添って、包み込んであげてください。
その当時の自分が抱えていた悩みや苦痛を、やさしく聴いてあげてみてください。
本当はどうしたかったのか、どうしてほしかったのかという声を聴いてあげてください。
もし、40代となった今の自分が、いまだ当時の心境や状況のままであったとしたら、それは少し難しく感じることもあるでしょう。
その場合、必然的に禁煙も難しくなります。これもまた真理だと考えています。
しかし、今の自分が過去の自分よりも少しは成長できていて、経験も積んでいて、少しでも過去の自分の声を聴いたり寄り添える余裕が生まれているとしたら、それは禁煙の大きなチャンスになります。
自分の体をタバコの煙で痛めつけたい人など、本来はいません。
そこには何かしらの原因や理由、心理的要因があるはずなんです。
今の自分がこのことに気づき、そして過去の自分を含め自分を癒し大切にすることを本気で考え実行すること。
これが本当の禁煙になります。
過去の自分と今の自分をよく見てください。
あなたの禁煙の答えはあなたの中にだけあります。
ぜひそれを見つけてみてください。^^
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それでは今回はこの辺りで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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